１９９２年９月２８日（月）
　天幻城市 　　英語原題：ＤＵＳＴ　ＯＦ　ＡＮＧＥＬＳ
  渋東シネタワー１（第５回東京国際映画祭ヤング・シネマ・コンペティション）

　　シュウ・シャオミン監督の第一作。ホウ・シャオシェン作品とエドワード・ヤン作品との類似が見られる。　　
　　その類似によって、この監督の個性／特徴はどこなのかという疑問を持ってしまうが、そのことを抜きとすれば、
　　かなりいい作品だ。スタイル的には、シャオシェン、ヤンの二人に比べると、特徴的ではないかもしれないが、
　　長まわしの多用、固定ショットの多用が基本である。
　　やくざ、あるいは、ストリートギャングと呼べる不良少年の二人を主人公にした青春の映画だ。
　　台北あるいは北港という街の若者のたまり場を背景に、拳銃を入り口にどんどん悪の世界に入って
　　しまう若者の姿を描く。人間描写より殺ばくとしたシーンの方のストーリーがメインになりすぎては
　　いないかという気もするが、ていねいに積み上げられていくエピソードに対して青春の転落、無鉄砲さが
　　浮きぼりにされていき、人間を感じさせてくれる。
　　　　　
　　１９９２年／台湾映画／城市國際電影公司製作／
　　カラー／ビスタサイズ（１：１．８５）／１時間４５分／
　　脚本・監督：シュウ・シャオミン／撮影：チャン・ホュイゴン／製作総指揮：ホウ・シャオシェン／
　　出演：ジャック・ガオ、クエン・チャングォ、タン・ジーガン、ヴィッキー・ウェイ、チャン・イハン