２００１．０５．２６（土）
　花様年華　　IN THE MOOD FOR LOVE
  銀座テアトルシネマ　前売り１５００円

　　「花様年華」とはハッピーバースデーの意味か。
　　映画の中でハッピーバースデーの曲がラジオから流れる。
　　１９６０年代の香港。アパート（というより下宿屋）の
　　隣同士に同じ日に引っ越した２組の夫婦。
　　互いの妻と夫が不倫していると知った夫（トニー・レオン）と
　　妻（マギー・チャン）が、こちらも不倫を始め、本気で
　　愛し合うようになるが、いずれ別れていく様子を、
　　ウォン・カーウァイ監督、スタンリー・ドイル撮影で
　　スタイリッシュに描かれる。

　　最初に不倫をはじめた妻と夫の方は全く画面に描かず、
　　後姿と声でしか登場しない。その不倫がどういうきっかけで
　　始まり、どういう経緯を経て、結局どういう結果になったのかは
　　ほとんど描かれない。断片的には表現しているのかもしれないが、
　　ストーリーをきちんと語ってくれる映画ではない。

　　マギー・チャンがトニー・レオンの部屋に入って、二人で
　　会っている時に、大家（おおや）さんたちが急に帰ってきて
　　マージャンを始めたため、マギー・チャンが部屋を出ることが
　　できなくなるというエピソードがあるが、その時、アパートの
　　間取りが不明瞭で、そのエピソードを説得力を持って見ることが
　　できなかったが、この映画を楽しむには、目をつむって、
　　映画のムードとスタイルと音楽を楽しむ。

　　普段の生活からチャイナ服を着ていた時代なのか、様々なチャイナ服を
　　着て登場するマギー・チャンを見ているだけで満足感を感じさせて
　　くれる映画だ。
　　　　　　　　　
　　http://www.shochiku.co.jp/kayounenka/

　　２０００年／フランス・香港映画／松竹／上映時間１時間３８分／配給：松竹  
　　２０００年カンヌ映画祭・最優秀男優賞(トニー・レオン）受賞
　　高等技術院賞（クリストファー・ドイル）受賞　　

　　監督／脚本／プロデューサー：ウォン・カーウァイ
　　撮影：クリストファー・ドイル
　　撮影：リー・ピンビン
　　音楽：マイケル・ガラッソ
　　美術／編集／衣装：ウィリアム・チャン

　　マギー・チャン（ミセス・チャン）
　　トニー・レオン（ミスター・チャウ）
　　レベッカ・パン（ミセス・スーエン）
　　ライ・チン（ミスター・ホー）
　　スー・ピンラン（アーピン）